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2008.07.26 二度目の設計
初めての家作りですが、マイホームを設計してもらった経験は2度目なのです。

最初はいつかというと…。       (余談です)
  



10年くらい前。私は看護学生でした。
実習で数週間、精神科の病院に行っていました。

学生は一人づつ患者さんを受け持たせてもらい、その患者さんの発症の背景からケアまでを学びます。
私の受け持ちはAさん。
雰囲気が岩城光一さんのような、素敵な男性でした。
療養病棟の中でも古株です。
Aさんは心の病の為、ずっと前から考える力・行動する力をなくしていました。
自分で靴下を洗うこともままなりません。
連日話すのがやっとの状態のAさん。
Aさんの理解の為には、彼自身のカルテを私が読み込む事が必要でした。

Aさんは地元の超進学校卒業後、有名大学で建築設計を学びます。
卒業後、経緯は分かりませんが、大手銀行に就職。そして、まもなく発症。
発症後数十年の間には、辛い生活の言葉が並びます。

私から見たら、Aさんはかっこいいし、学歴もすごい。そしてとても優しい人。
病気さえなければ、こんな理不尽な人生を歩まなくて済んだのでは??と、やりきれない思いでいっぱいでした。


Aさんは毎日空を見て、過ごしていました。
空が好きだそうです。一日上を向いて、終わります。
看護学生としては、実際の生活の援助をしなくてはなりません。
正確に言うと、Aさんが自分で行動できる様に方向付けをする、といったらいいのでしょうか。
最終的には自分の事を自分でできるようやる気を持ってもらうこと。
…と、いっても、自分は無力でした。数日たってもAさんは空をみるばかり。
何十年も病んでいる人を、学生が数週間でかえられる訳はないし、そういう病気ではあるのですが。
それでも、いいきっかけはないかと思ったとき、
ふと、Aさんにこんなことを言っていました。

「Aさん、建築の勉強されていたんですね。」

すると、数日黙って上を向いていたAさんが突然私を振り返りました。

「君の…家を、設計してあげよう。明日までに書いておく」

そういって自分の部屋にまっすぐ歩いていったのです。

私はAさんに反応があったのが嬉しくて、その日はいい気分で帰りました。
しかも、家を設計って…。なんか楽しみ。子供部屋とかあるのかなあ。てか、独身の設定の間取り?? とにかく、初めて家を設計してもらうぞ。

次の日Aさんに会うと、すごい笑顔。
足早に私に近づいてきました。
「いい家ができたよ」
私もAさんの笑顔と、突然ながら実現したマイホームの設計に浮かれました。
喜んで、差し出されたノートを見ると…。


ん…    ゆがんだ形の、四角が三つ…。。。??


「Aさんこれ。。??」

「これはね、ガラスブロックというんだ」
聞いたことがない位、生き生きした声で説明してくれます。
「これがあると、とてもモダンな雰囲気になるんだ」


ノートのどこを見ても、薬の副作用で震える手で書いた、四角。四角。。
私の想像していた間取り図の類は、ありません。

予想していなかった「家の設計」に、ちょっと拍子抜けしながら戸惑う私。
しかし、かまわず一生懸命家のディテールについて語るAさん。

そして、その後もAさんが熱く家を語る姿をみて、私が感じたこと。


この人は建築が本当に好きで大事なんだ。。。


大学で建築を学ぶも、なぜ銀行に勤めたかは、わかりません。
しかし、Aさんの中で、建築に対して何か大切なものがあった事だけはわかりました。




 

 時は過ぎ、私が本当に家を建てる頃。
雑誌の中でガラスブロックを見ると、懐かしくAさんが思い出されます。
そして、Aさんが笑顔になった気持ちが、より、わかる気がするのです。
今回設計してもらったFさんのブログなどを見ると、設計の仕事は苦労も多いようです。
施主だって、悩んだりすることもあります。
だけど、やっぱり家作りは楽しいと思うのです。
あの日、考える力をなくしたAさんにパワーを与えるくらいに。





妙に長い回想になってしまいました。
すみません。
それもこれも、普段オット(いち父)がツマ(私)の話に耳を傾けてくれないから~?(笑)
四つの嘘(ドラマ)みてますか?アレの、渡辺いっけい&寺島しのぶ夫婦(夫はナイターに夢中・おしゃべりな妻の話は上の空)、まさにうちです(諦)


























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